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摂食障害

「摂食障害」は、特に若い女性に多く、一般的にダイエットのやり過ぎが原因のように思われがちですが、ダイエットだけが原因ではなく、その理由はさまざまです。現代のようにダイエットブームではない19世紀にも「摂食障害」の症例の記録は残されています。
 この病気は、決して「痩せてきれいになりたい」というだけではなく、自分の評価を体重だけで決めてしまったり、自分に対する自信のなさを表す精神症状だといえます。
「摂食障害」は、徐脈・体温低下・貧血・低血糖・低カリウム血症・不整脈など身体にさまざまな症状が出ます。しかし、急激な変化が起こるわけではなく、嘔吐などを繰り返すうち、徐々に体調に変化が出てくるため、自覚症状がありません。本人も周りも気付きにくいため、注意する必要があります。
 また、「摂食障害」は、合併症を引き起こしやすい病気です。「拒食・過食」は身体的な変化もあり、比較的診断がしやすいですが、実はうつ症状の方が深刻な問題となっている場合もあります。そのため、「拒食」や「過食」の症状だけをみていると、その奥にある、「衝動的になりやすい」「自傷行為が止められない」などの見付けにくい症状を見落としてしまうことがあります。一部分の症状だけではなく、全体をしっかりみて精神科的な正しい診断をつけることが大切です。
アメリカ精神医学会が作成した「精神疾患の診断・統計マニュアル」というものがあります。これは「DSM」と呼ばれており、現在、世界中で使用されています。神経性食欲不振症(拒食症)・神経性大食症(過食症)など精神科の病気は、内科の病気とは違い検査の数値で診断をすることができないため、「DSM-IV」などに挙げられている症状をもとに診断します。
 「DSM-IV」に挙げられている神経性食欲不振症(拒食症)の診断基準をみると、「体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖」「自分の体重を感じる感じ方の障害(自己評価に対する体重や体型の過剰な影響)」などが特徴的です。通常の場合、ダイエットをしていても体重だけに自己評価が集中してしまうということはありません。しかし拒食症の場合、体重が不足していても体重が増えることに恐怖を感じたり、自己評価が体重や体型に過剰な影響を与えてしまいます。
 神経性大食症(過食症)の場合も同じく、自己評価が体重・体型に大きく左右されてしまいます。「好きで食べているのだから、食べるのを止めればいい」と思われがちですが、「過食症」は失コントロール感といって、食べたくなくても、衝動に突き動かされるように食べてしまいます。しかし、食べることが止められない自分に対し、無力感に襲われ、その代償行動として「嘔吐」を繰り返してしまいます。
 また「DSM-IV」の他、摂食障害の判断基準として、BMI(Body Mass Index)というものがあります。これは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で、身長と体重から肥満度を割り出すものです。この数値は22が正常範囲とされていますが、この基準は中高年の生活習慣病を調べる際の数字のため、20位までが正常範囲と考えてよいと思います。BMIが17〜18の人は、健康レベルの最低ラインで、17以下が長期間続いてしまうと骨粗鬆症になってしまいます。社会生活を送るためには、17程度のBMIが必要になります。

「摂食障害」は以前、中高生の女の子が食事を食べずに痩せてくる病気として「思春期やせ症」という言葉で呼ばれていたこともありました。
 しかし、最近では成人期に発症することもあり、特に、結婚後や出産後に過食症になるケースが多くなっています。これらは20代後半から30代に多く、「思春期やせ症」とは違った問題も出てきます。例えば「摂食障害」の人の出産、育児は、空腹感・満腹感がよく分からないため非常に大変です。ミルクを飲ませ過ぎて赤ちゃんが太ってしまったり、逆にミルクの量を加減し過ぎて、赤ちゃんの成長が遅れてしまうこともあります。
 特に、過食は食べ過ぎても嘔吐などで体型に変化があまり出ないため、その症状を隠していることが多くあります。そのため「摂食障害」の治療には、配偶者や家族がどのように参加するかがとても重要になります。

「過食症」の患者は、「今日から過食を止める」など、まじめに考えてしまいがちです。しかし、この考え方は1番失敗の多い例で、最初から過食をゼロにしようとしても挫折してしまうことが多いものです。しばらくの間は我慢できても、その後、爆発的に過食してしまい、抑制できないことで自己嫌悪に陥り、また食べてしまいます。
 まず、過食症状をゼロにすることではなく、対処法として「コントロール感」を持つことが大切です。症状に振り回されず、自分がコントロールできている範囲で症状が出ているという感覚が持てると、あまりうつ状態になりません。
 具体的な対処方として、過食の症状を「量」や「金額」、「時間」で把握する方法があります。過食に使っている金額を把握し、通常の買い物と別にするだけでも、衝動的な買い物が減ってきます。また、記録ノートにレシートを貼って、買い物に行く時間や1日の食べていた量を確認することも効果的です。
 過食は、「嘔吐することでリセットできる」と思われがちなので、1日中過食嘔吐を繰り返してしまい、他のことが何もできないというケースがあります。ですから、時間で把握する場合、「過食をしても良いが1時間迄」などと決めて、それ以降は歯磨きなどで1度区切りをつけるなどの工夫も必要です。
 これらがきちんと把握できていれば、過食の多い日と少ない日はどこが違うのか、回復するためにはどの方法が1番自分に合っているかが考えられます。 元来、理想が高く、まじめな性格であるため、「このような目標では、不真面目だと思われるのでは?」と思い、初めから高い目標にしたがります。しかし、失敗して症状を繰り返すことが悪循環となるため、「どれだけ簡単なハードルを設定できるか」がポイントになります。
アメリカ・カリフォルニアのある研究者は、拒食症で入院していた人のその後の経過を詳しく調査して報告しています。この病院では、入院中に身体の治療だけでなく精神療法や家族療法なども含めた集中的な治療をしているようです。それでも、退院後すぐに「拒食症」が完全に回復するケースは多くありませんが、年を追うごとに回復してきているというデータが得られています。
 まず体重・体調を回復させる「部分回復」をして、時間をかけて心理面も回復する「完全回復」を目指すことが大切です。
「部分回復」とは、体重が元に戻り、女性の場合は生理もくるようになり、身体的には心配のない状態です。この報告では、部分回復は退院1年後には10%ですが、10年後には85%くらいです。
 また、身体だけではなく、体型や食べ物へのこだわりなど、心理的な面が完璧に回復することを「完全回復」といいます。入院の必要がない軽症の場合、1年目で回復することもありますが、入院が必要な症例では2年目あたりでの完全回復はあまりありません。しかし、最終的に8割近くの人が治っているので、初めから焦る必要はありません。
 気持ちの回復は、身体の回復よりも困難です。患者に対して「太っていない」と説得しても、ボディーイメージの回復は非常に難しいものです。そのため、介護する家族は、最初からボディーイメージを回復させようとするのではなく、体重を回復させ、社会参加しながら自信を付け、こだわりを捨てていくことが大切です。社会参加をしている内に、気が付いたら治っていたということが理想的で、実際、最も多い回復ケースです。
BMIの数値が10や11と低い場合、明らかに健康ではないのですが、患者本人がそれを感じていないことがあります。また、具合の悪さや疲れを口に出さないので、周囲の人が気付かず、症状を悪化させてしまうこともあります。したがって、調子が悪いことを言えるような治療環境や家庭環境を作ることが重要といえます。
 前にも述べたように「摂食障害」は、心と身体の両方に症状が出ます。そのため、身体だけではなく、心のケアもしておくことが大切です。体重だけ見て回復したと思っていても、逆戻りしてしまうケースは多々あります。
 病気を治したいと思った人にきっかけを聞くと「体の衰弱」を1番に挙げています。たとえば、便利な生活の中では体の不調を感じることがなかったのに、久し振りに布団の上げ下ろしをして、筋力の衰えを感じることなどです。1度、自分で具合の悪い状況に直面する機会があると、病気に気付くきっかけになることがあります。
 また、必ずしも精神分析をする必要はありませんが、患者本人の気持ちをよく聞くことは大事なことです。
ロンドンのモーズレー病院で「摂食障害」の患者さんに長年携わってきた、ジャネット トレジャー先生の著書「拒食症サバイバルガイド」には、「摂食障害」の人に「拒食症」という魔物が付いている絵が描かれています。
 このモーズレー病院では、自分の病気にどのようにして気付くかということを考えるために「手紙療法」というものを行っています。1通は「拒食症への文句」で2通目は「親愛なる拒食症様」という手紙で、「摂食障害」で困っていることや、反対に病気のおかげで助かっていることを列挙して、自分の症状を知るという方法です。
 病気になることで自分が守られたり、得をしていることがないかなど(専門的にはこれを「疾病利得」といいます)を考えてみることは大事で、社会に出るのが怖かった、親が子供の世話をし過ぎ自立を妨げていたなど、原因を見付けることで病気を克服しやすくなります。症状が慢性化してしまっている場合に、これに気づくことがとても効果的です。

「摂食障害」の患者さんに、心療内科の診断を受けてもらうのは非常に大変な道のりです。体型に大きな変化が現れる「拒食症」で全体の約半分、「過食症」では10人に1人しか受診していないといわれています。
 最初は内科や、生理がないということで婦人科を受診するケースが多くあります。また、保健所や、学生さんの場合は学生相談室、それからまだ数は非常に少ないですが、開業している栄養士など、精神科や心療内科を受診する前に相談できる場所が少しずつ増えており、これらとの連携が今後は重要になります。専門的な治療が必要だと理解できると、その後の治療がよりスムーズになります。摂食障害を治療していくうえで大切なことは、患者本人だけではなく家族も治療に対する共通のイメージを持ち、同じ治療方針を持つことです。
 また、「摂食障害」の発症が10代でも、現在患者が成人以降の場合、「思春期やせ症」としてではなく、実年齢を考慮した治療計画を立てなければいけません。同居していても、生活を自分でどうしていくかという姿勢で考えていく必要があります。さらに、治療は時期や年齢によって変わってきますが、本人が「摂食障害」に責任を持って対処していくということを家族も治療者も理解しておくことが大切です。

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