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摂食障害
−−−まず、摂食障害には、どんなきっかけでなることが多いのでしょう?
きっかけはいろいろです。ダイエットからなる場合もありますし、ちょっとした悩みごとなどがきっかけでなることもあります。また、なぜ自分が摂食障害になったのか分からないという方もいます。
最初から過食や拒食のままだったり、拒食のあとに過食になったり、過食した後に嘔吐したり、下剤を乱用したり、拒食と過食を交互に繰り返したり・・・など、いろんなパターンがあります。いずれにしても、楽しめるはずの食事の時間に苦痛を感じ、その時間が生活の中心であり、障害になってしまうことを摂食障害といいます。
−−−どうして拒食のあとに、過食になるのでしょうか?
体が望んでいないことをすれば、そのとき失ってしまったものを体は必死で取り戻そうとします。つまりいき過ぎた拒食のあとに異常な食欲衝動にかられるのはいわば体の自然な欲求であり、健康な証拠なのです。
しかし、体重、体型に自分の評価の重点を強く置いている人ほど、過食して体重が増えることが許せません。だからそれを恐れて嘔吐したりまたダイエットをすることが多く、これらの反動でまた過食してしまいます。するとこれに焦ってまた嘔吐やダイエットをする・・・。
皮肉なことに、摂食障害を治したい、過食をなくしたいと思えば思うほど、生活のリズムが不規則で不安定なものに変わっていくわけです。すると気分も滅入りやすく立ち直りにくくなってしまいます。自己否定感や自己嫌悪感が強くなり、学校や会社にも行きづらくなり、友達にも会えなくという悪循環ができあがってしまいます。
−−−どんな人が摂食障害になりやすいのでしょう?
理由はいろいろですが、共通していえるのは感受性がとても高い性質の持ち主であることだと思います。これは決して悪いことではないのですが、何事においても深く受け止め過ぎてしまうために、心が傷つきやすくなってしまうんですね。だから余計に他人の意見や目が非常に気になる。すると「他人の評価=自分の評価」みたいなとらえ方をしてしまうようになり、自分で自分らしさを認めたり、見い出していきにくくなります。このように摂食障害になりやすい人は、自分らしさを見い出せていなかったり、見失ってしまった人に多いように思います。
思えば、私も小さいときから「親にもっと好かれたい、もっと愛されたい」という気持ちでいっぱいな子でした。親だけに限らず、「人からほめられることなら無理してでもするぞ!」という気持ちがいつもありました。摂食障害は「いい子」がなりやすい病だとよく聞きますが、「いい子でいなさい!」といわれてそうしてきたわけではなく、“いい子でいないと落ち着けず、不安で仕方なかった子”がなる病なのではないかと思います。
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